ボランティアセンター
・ボランティアセンター
逗子市社協ボランティアセンターは、ボランティアをしたい人と、ボランティアしてほしい人をつなぐ、逗子社協の機関です。
また、ボランティアを始めたい人、ボランティアをしている人のサポートも行いながら、皆さんにボランティアを知ってもらえるような様々な講座・イベントも行っています。
あなたのボランティア活動を応援します!!
相談・紹介
- ボランティア活動に関する疑問などのご相談にお答えします。登録ボランティアグループ等の紹介や活動希望場所への紹介も行っています。
- 講座の開催
ボランティア養成講座を中心に実施しています。 - 助成金の交付
ボランティアグループに活動のための助成金を交付しています。 - 情報・活動場所等の提供
随時、県内を中心の催し物などのお知らせをしています。
⇒ボランティアグループ登録用紙はこちら・・・ボランティアグループ登録用紙(Word)
あなたの生活を支援します!
- 相談・登録ボランティアの紹介
生活の中でお困りのことのご相談にお答えし、場合によっては登録ボランティアさんに、解決していただきます。 - 関係機関への連絡調整
ボランティアさんの社協で解決出来ない時には関係機関へ相談し、問題解決を図ります。
逗子ボラさん大募集中 始めての人大歓迎です
・福祉教育
福祉教育の目的
福祉教育の目的に関してはこれまで、逗子市社会福祉協議会内でも数多くの議論がなされてきていますが、常にその議論の軸にあったのは、福祉教育チームのアドバイザーをお願いしている原田正樹先生によるご指摘でした。その一部を紹介します。
あらためて「福祉ってなんだろう」と考えると非常に悩みます。そこで福祉を「ふ・く・し」と平仮名で書いて「ふつうの くらしの しあわせ」、あるいは「ふだんの くらしの しあわせ」のことと考えてみます。ここで大切にしたいのは、普通の暮らしや普段の生活というなかに、自分自身もそこにいる、ということです。つまり福祉とは自分自身の問題であるということが原点です。
ところが多くの場合、福祉といえば障害者や介護が必要な高齢者のことを思い浮かべます。つまり社会的弱者のことが福祉なのです。そうした社会的弱者に対しての思いやり、手をさしのべることが福祉だと思いがちです。しかしこうした一方的な視点だけで福祉をとらえていると、いつまでたっても福祉は他人事です。それどころか誤った福祉観を形成することにもなりかねません。…(中略)
今、世界の福祉ではノーマライゼーションということが共通の原則とされています。この思想の原点には人間の平等性、対等性ということがあります。一人の人間として、たとえ障害があっても、誰もが人として当たり前の生活(ノーマルな生活)を営む権利を有していること。もしそのことが適わないのならば、それは本人の責任ではなく、社会を変えていく必要があることを基本原則とした考え方がノーマライゼーションです。ここでは人間としてのかけがえのない「存在」と、その「関係性」の上に成り立つ社会の在り方を問題にしています。この原則に照らして、今の日本の社会を点検してみることが必要です。そうするといろいろな問題が見えてきます。これが、現代の社会福祉問題です。
福祉教育とは、この社会福祉問題を学習素材としていくことに、大きな特徴があります。つまり社会福祉問題とは、人権と暮らしに根ざしたものであり、その存在を問う価値的なものであり、人と人そして人と社会の関係性を明らかにするものです。自分とは異なる世界のこととして福祉を理解するのではなく、これからの福祉を創造する主体として学習していくことが求められます。このことが「ともに生きる力」の形成ということです。
しかし残念ながら、今日の福祉教育と称されている実践は、目先の福祉の知識や技術の習得にとらわれています。形ばかりの疑似体験や施設訪問が横行するなかで、「福祉教育の形骸化」が進んでいます。福祉教育の第1のねらいは、車イスの押し方やガイドヘルプの仕方を覚えるものでもなく、点字や手話の技術を身につけることでもなく、福祉施設へ「慰問」にいくことでもないのです。今、この同じ空間に生きている様々な人たちの存在を知り、そうした人々とともに生きていくための智恵と力を身につけていくことが福祉教育の目的になります。
高齢者の疑似体験というプログラムがあります。人間が歳を重ねると日常生活動作能力(ADL)が低下してくることを、いろいろな装具を身体につけることで疑似体験してみる、というものです。このことによって何を伝えようとするのでしょうか。参加者からは「歳をとると大変なことがよくわかった」「これからはお年寄りを大切にしたい」といった感想が寄せられます。一見すぐれたプログラムに見えますが、これは単に「加齢による弱さ」を体験させたに過ぎません。そこでは援助する元気な人と援助を必要とする弱い人を区別して役割意識を持たせただけにすぎません。福祉教育で大切にしたいのは「人間としての尊厳」です。例え、寝たきりになっても、痴呆症状がすすんでも、一人の人間が90年、100年生きてきた、そのことへの尊厳を持つことが福祉教育の第一のねらいです。介護の仕方はその後の問題なのです。
今日、世界の身体障がい者の数は6億人を越えます。その半数以上は、戦争や内戦で傷ついた人たちだと言われます。「21世紀の障がい者福祉とは、世界の平和を考えること」 平和と民主主義がないところで、福祉社会は実現しないのです。このことの意味を私たち福祉教育に携わる者は、いつも考えておくことが必要だと思います。
しかし一方で、社会福祉は抽象的な理想論ではなく、現実的な生活課題に即したものでなければなりません。地域のなか、あるいは学校や教室のなかにもさまざまな生活課題があります。例えば学級のなかのいじめの問題をそのままにして、福祉教育など成り立つはずがありません。その一つひとつを丁寧に取り上げていくこと、そのことを通して学習していくこと。子どもたちにとっては日本の高齢化率よりも、逗子市のお年寄りの暮らしのことが知りたいはずです。どこか遠くの偉業を成し遂げた障がいのある人の話ではなく、市内に暮らしている障がいのある人の生活を知ることの方がリアリティがあります。こうした地域の社会福祉問題、つまりリアリティのある学習素材を用いることによって福祉教育は、地域還元型学習、あるいは問題解決型学習として展開していくことができるのです。
その結果として、福祉教育は学校から地域へ広がります。子どもだけでなく、逗子の市民全員の生涯学習へと広がっていくのです。福祉教育を丁寧に積み重ねることによって、逗子の地域福祉の推進につながります。やがてそれは逗子から全国へ発信していくことになるでしょう。
『学校と地域でつくる福祉教育』逗子市社会福祉協議会、2004年からの抜粋)
発達段階に応じた福祉教育の目標
上記の福祉教育の目的を実現するにあたっては、相互に関連し合う「人間関係づくりアプローチ」「問題解決アプローチ」という2つのアププローチが想定できます。そして「人間関係づくりアプローチ」を基礎にしながら、それを人間の発達に応じて発展させ、また徐々に「問題解決アプローチ」を組み入れ、それを空間的、時間的に広げていくことで、一つの案として、以下のような「発達段階に応じた福祉教育の目標」を私たちのチームは例示しています。
発達段階に応じた福祉教育の目標
- 小学校低学年)「関係をつくる」
~自分そして他者と出会い、ふれあう~ - 小学校中学年)「関係を広げる」
~地域(地域に住む子ども・高齢者・障害者・外国籍住民など多くの人)と出会い、ふれあう~ - 小学校高学年)「関係を見つめる」
~地域での関係を見つめ、地域での関わりを考える~ - 中学校)「問題を見つめ、解決方策を考え、行動する」
~福祉に関する問題を理解し、地域での具体的な活動へ参加する~ - 高等学校以上)「問題を見つめ、解決方策を考え、行動する」
~福祉に関する問題を、歴史的空間的な文脈で理解し、地域的国際的な活動へ参加する~
福祉教育の現状
市内の小学校・中学校・高等学校では、障がいのある方やボランティア、地域の方々と一緒に行う福祉教育が定着しています。公立の小学校と中学校には、各学校に1名ずつ「福祉教育担当」の先生がおり、逗子市教育委員会の中に設けられた「福祉教育担当者会」にてボランティアセンターとともに情報交換や具体的な取り組み方などを行う機会を定期的に持ち、福祉教育の狙いや地域とのつながり方についてネットワークができています。
子どもたちは、多くの方々と関わることで、新たな気づきを生み出しています。
また、福祉教育に関わる障がいがある方やボランティアについては、福祉教育のねらいを理解し、自主的にプログラムを提案し、教材も準備するなど、担い手側も大きく進歩しています。
学校内での福祉教育に関するアプローチやネットワークは構築されて定着している一方で、今目を向けなければならないのは、子どもも含めた地域における課題が山積していることです。
そのたくさんの課題の解決については、多くの方が「行政など公的な機関が行うべき」と思っている現状があります。しかし、その多くの課題が「住民の気づきと解決」で補えるものなのです。
地域福祉における課題
福祉教育と地域福祉における課題は一見、なんの関係もないように思えますが、今後児童・生徒・学校だけでなく地域の大人も福祉に気づくことが何よりも重要と考えています。
①地域における課題
地域というと幅広い分野・そして人が関わってきますが、一番の課題は、「人と人とのコミュニケーションが希薄になっている」点です。年齢・世代を問わず人が集まれる場が少なく、そのため自分の地域の実情を知る機会も少なく、防犯・防災の取組みも、自治会活動の広がりも、挨拶のできる環境も、おのずとできにくくなっています。また逗子は比較的歩道が狭く、街の中のバリアフリー化が進んでいない地域もあります。
②高齢者における課題
一人暮らしの方、日中独居の方も増えている中、地域のご近所づきあいがしづらくなり、万一の時や、少し困った際に頼める方がいない点です。しかし、悪質な訪問販売やオレオレ詐欺など、近所の相談者がいれば解決できることもあります。また、地域の中に気軽に行ける場所や趣味などを共有する場が少なく、外出する機会も少なくなっています。更に介護保険制度改正によって今まで受けていたサービスを受けられなくなり困っている方がたくさんいます。
③障がい者における課題
障がいのある方と住民とのつながりが少なく、なかなか理解を得られない実情があります。また、聴覚障がいのある方への情報支援や、知的障がいのある方が余暇を楽しむ場所や機会が少ないのも現状です。また、障害者自立支援法により、今まで費用がかからなかったサービスの費用がかかるようになり、止む無く利用しないという方も増えています。
④子どもにおける課題
大人と子どもの間での挨拶や呼びかけが少なく、子どもを含めた地域づくりが十分ではありません。また子どもたちが集まって遊んでいる光景も減っており、自然と大人とのコミュニケーション不足になっています。子どもの登下校の際に地域ぐるみでの防犯体制ができている所もありますが、市全体としては充分浸透していません。また就学前の子どもとその親に関しては、ご近所づきあいが少ないため居場所づくりの必要性が浮かびあがっています。
⑤地域住民における課題
自治会への加入率が下がる一方で、地域で解決が必要なことは増えているのですが、その担い手となる住民が少ないのが現状です。そして、この逗子という地域や、逗子が持つ課題も、住民には知られていません。よって、課題意識も少なく、防犯や防災対策を含む地域のネットワークづくりが難しく、せっかく新たに立ち上がってもなかなか次への引き継ぎができない課題があります。また、住民が主体的にまちづくりをする気風が少なく、住民同士が知り合う機会も少ないのが現状です。
これから
みんなが主役で <みんなで、支えあい・助けあう「福祉教育」>
福祉教育を住民がつくりだすために、学校、住民、家庭、サロン、自治会、ボランティア、福祉団体、教育研究所、行政、そして社協がつながりあって、お互いに支え、助けあいながら、福祉教育を進めていこうという思いです。
逗子の一番外の丸が、お互いを結びながら、福祉教育の場をコーディネートすることを表しています。
児童・生徒だけに留まらず、幅広い分野にて福祉の考え方を広めるために、住民(大人)や自治会・企業や店舗などに、福祉の課題とその解決について広めていくことになります。
現在、市民生活に直面している問題はたくさんあります。高齢化・少子化などによる問題、生活環境の問題、防犯・防災の問題、自治会から人が離れている問題など、幅広い課題に対して、行政だけ、社会福祉協議会だけ、福祉施設だけ、ボランティアだけではもちろん解決できません。
その課題に「気づき」、「自分たちも一緒に解決」しようとする「住民パワー」が、今後の逗子を支える大きな要因となります。
その「気づいて、一緒に行う住民」を増やしていくのが、福祉教育の役割です。
逗子市社会福祉協議会では、逗子を皆が安心して生活できる地域にする具体的な計画として「地域福祉活動計画」を策定し、福祉教育を住民活動を広げる一つの手段と捉えています。
今後は、様々な講座・イベント・集まりの場・活動の場を、福祉教育の機会ととらえ、様々な機関が連携しあい、様々な学びの場を、たくさん作っていきたいと考えています。
住民主体の福祉教育実践の変遷(多様なメンバーによる「福祉教育チーム」のこれまで)
・サマースクール
サマースクールは、社会福祉施設における日々の活動体験や、施設利用者とのふれあいの中から、いのちの尊さを学び、また、社会福祉事業への関心を持っていただくこと、また、障がい者・高齢者が抱える課題などについて理解と関心を深め、地域社会の一員として主体的にボランティア活動などに参加する意義を学び、地域社会の担い手としての意識を高めることを目的に実施しています。
・ボランティア村
例年開催される逗子市民まつり開場の一角で、逗子市ボランティア連絡協議会と連携し、イベントを行っています。